ホーム > 食のおいしさを創造する
武蔵野に働く多くのエキスパートたちの熱意と努力が、中食業界の明日を切り開く新しいカタチをつくりあげています。
商品開発は「おいしさ」と「安全性」のバランスをどこで取るかがいちばんの勝負どころになります。広範な視点からのマーケティングリサーチで得た多種多様な情報を整理・集約し、新鮮な感覚と客観性をもって商品開発を行うことはもちろんですが、コンビニエンスストアの店頭に並ぶ商品は、つくり手の顔も見えなければ、製造してから食べていただくまでに数時間のタイムラグもあります。
さまざまなアイデアを試作、検討
消費者の
視点も必要になってきます。 アイデアや発想をひとつの商品として形にしていくときには、このような中食特有の製造・販売条件を克服し、原材料の手配、品質管理、製造・販売までのすべての要件を的確にクリアしていくことが求められます。さらに昨今は食品の安全性や品質に対する信頼確保のためのトレーサビリティシステムの構築が不可欠です。
さまざまなアイデアを試作、検討
消費者の
視点も必要になってきます。
ヒット商品「幕の内弁当398」開発エピソード
おいしさ、低価格をキーワードに開発。
人気具材を選び、揚・焼・煮のバランスをとりました。
武蔵野の開発商品である「幕の内弁当398」は、定番の幕の内をより多くのお客様に召し上がっていただけるように①美味しさ②低価格をキーワードに設計した商品です。具材の質を下げずにこれまでの498円の価格から100円も安い398円で売れるか?という課題からのスタートでした。具材は揚・焼・煮のバランスを考慮し人気具材を選定、ご飯についてはご飯成型を機械化することで人員削減しコストダウンを図った規格にしました。容器は自ら寸法を計って具材に合う専用の型を設計するなど、改良を重ねることでようやく発売に至りました。全国発売後も良品づくりの努力を続けています。
コンビニは新商品の開発が激しい一方、商品のマンネリなど問題点も多々あります。お客様に喜ばれる商品作りのために、今後も市場のニーズ(調査・情報・現状分析)をふまえた商品提案をしていきます。
安心・安全なおいしい商品づくりは品質管理なくしては実現できません。武蔵野では品質管理部を拠点として、高基準の厳しい品質管理を行うだけでなく、社内外の多様な情報を収集・整理し、必要なセクションへ発信することによって、工程の改善や品質の向上を実現し、全工場がトレーサビリティの核ともなるHACCP認定を取得することを重要な課題としています。
製造中にも定期的に作業者の手の清潔度を
確認しています
原材料や製品の微生物
検査も重要な業務です また、品質管理部では、自主検査の成績の向上を第一目標に定めるとともに、よりおいしい商品づくりを目指して、大学との共同研究で、栄養分析・食材分析による”おいしさの数値化”に挑戦。個人の好みの領域までデータ化して点数で表す試みが進められています。
ごみを出さない完全リサイクル=ゼロエミッションを進めるなかで、着実に成果を上げている対策のひとつが、汚泥炭化装置を用いた汚泥処理です。脱水処理をした汚泥を1000℃以上の高温で焼却し無臭・軽量の炭をつくるもので、一度に10tの汚泥を1tの炭に変えられます。できた炭は緑農地の土壌改良材として活用されていますが、それ以外にも、調湿、脱臭、浄化、融雪など多様な用途が考えられます。さらに現在では、ビニールとプラスチックの再生に取り組んでおり、これらの対策が確立できれば、ゼロエミッション達成というゴールへ向かって大きく前進することができます。 越えねばならないハードルはまだありますが、今後もひとつひとつの課題を着実にクリアしながら、一日も早いゼロエミッション実現をめざして、より積極果敢な取り組みを続けていきます。
商品開発、品質管理、生産技術、環境対策・・・ 武蔵野はひとつひとつのテーマに対して、常に新しい目標を掲げて果敢な挑戦を続けています。 おいしさの真髄とは、すべてに妥協を許さず完璧を目指してこそ、初めてその先に見えてくるものと考えているからです。
中食マーケットの成長を支え続けます。
今でこそ、中食として人気が高いお弁当やサンドイッチ、お惣菜などの調理済み食品。武蔵野はこれらの食品を次代に先駆け、昭和40年代から開発・製造に取り組んできました。独自の開発力と提案力を活かして、これからも中食マーケットの成長を支えていきます。
ますます活況を呈する中食産業
コンビニエンスストアの増加とともに、広く浸透してきた中食のマーケットは、その簡便性や経済性、商品構成の多様化などを反映して、順風満帆な成長を続けています。おいしくリーズナブルなお弁当やお惣菜の購入者層は、今や10~20代の若い世代だけでなく、食の安全性や健康への関心が高い主婦や高齢者にも広がってきており、その市場規模は今後もさらに拡大していくことが予想されます。
オピニオンリーダーとしての挑戦
昭和45年、大手製パンメーカーの戦略商品に「お弁当」が採用されたのをきっかけに、武蔵野は当時まだ珍しかった米飯類や惣菜類の開発・製造をスタート。以来、中食業界のオピニオンリーダーとして、多種多彩な商品を世に送り出し、常にトップレベルの業績を上げてきました。これからも中食産業を中心とした事業展開を進め、新たな商品の開発・提案を通して、広く社会の発展に寄与していきます。ごはんのおいしい炊き方のコツ
高齢者にとっての“おいしさ”探る
ニューラルネットワークを用いた解析
品質管理部研究課は外部と共同で「ITを利用した健康食用冷凍米飯のデリバリーシステム構築技術の開発」をテーマに研究を行っていますが、このほど「平成14年度 食品産業技術開発支援事業成果概要集」にその内容が発表されました。
今回発表になったのは、「高齢者にとっては、どのようなご飯がおいしく感じられるのか」についての研究内容でした。
これは「高齢者がおいしく簡単に食べられる健康で安全な食」を提供する冷凍技術及び流通システムの研究開発の一環として実施されたものです。
研究では、2種類の米を7通りの温度で保存したものを加熱し、放冷したものを延べ2,500名を超える対象者に食べてもらい、官能評価試験を行いました。
11項目にわたる「おいしさ」を7点法で評価した結果、米飯の粘弾性を維持する上で、「1日間保存には10℃以上、長期保存にはマイナス15℃以下での冷凍保存が適切」であることが分かりました。
また、高齢者は「つや」と「香り」が「おいしさ」に及ぼす影響が大きく、「硬さ」の増加に伴って「おいしさ」が減少すること、「こし」が小さく「付着感」の高い米飯に「おいしさ」のピークが見られるなど、一般成人との嗜好特性の相違も明らかとなりました。